呼吸とお腹
腹筋の役割は、日常生活からパフォーマンス発揮まで重要なものとされています。
腹筋のトレーニングの際は、腹筋が呼吸と密接に関わっているという報告から、動作に合わせてしっかりと息を吐くとよいといわれています。
息を吐くときには、お腹の奥の筋肉である腹横筋とわき腹下層側の筋肉である内腹斜筋の活動量が、表層の筋肉である腹直筋とわき腹表層の筋肉である外腹斜筋と比べて高い値を示すという報告がされています。
息を吐くときの活動量
お腹表層 < お腹深層
呼吸を利用したトレーニング
腹筋の代表的な種目、クランチ運動、トランクカールにおいても、呼吸と動作を組み合わせることで腹筋の活動量をあげることができるといわれています。
呼吸のパターン(吸う、吐く)で活動するお腹の部位が変わるというおもしろい研究があったので紹介します。
トランクカールで下腹部を鍛えるパターンと奥の腹筋を鍛えるパターン
興味深かったのが、最大呼気といって、息を吐ききった状態でトランクカールを行った場合と、最大吸気、息を吸い込んだ状態でトランクカールを行った場合の腹筋の活動量についてです。
息を吐ききった状態でのトランクカールは上記の腹横筋や内腹斜筋といった深層の腹筋の活動量があがっていました。
対して、息を吸い込んだ状態でトランクカールを行った場合は下腹部の活動量が上がるという結果になっていました。
この呼吸を利用し使い分けることで、腹筋のいろいろな部位をトランクカールで刺激することができるようになります。
傾斜をつける、または、重りを持つなどして負荷を上げていければ、かなりの刺激になるでしょう。
腹筋のトレーニングの際はぜひ意識してみてください。
トランクカール中の呼吸方法と
体幹筋の筋活動量との関係
内山秀一