ベンチプレス、デッドリフト、スクワットといった、いわゆる、ビッグスリーといわれる筋トレは代表的なエクササイズ種目として、とても有名です。たくさんの関節を動かし、体の大きな筋肉たちをエクササイズできる種目たちです。
実は、腹筋においても、腹部安定化エクササイズのために、こういったビッグスリーというものがあるのです!
腹直筋のためのカールアップ系
背筋群(腹横筋も)のためのバード・ドッグ系
腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腰方形筋のためのサイドブリッジ系
これらが腹部安定化エクササイズのビッグスリーです。
体幹エクササイズの種目選びとして、上記3つをカテゴリーに分けて、これらを軸に種目を選んでいくというのもおススメです。
サイドブリッジと腹筋(腹斜筋)について
今回はこれらのうち、サイドブリッジと腹筋(腹斜筋)に着目したいと思います。
既述しましたが、サイドブリッジでは 腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腰方形筋といった脇腹やお腹の奥の筋肉たちを刺激できます。
サイドブリッジでは、膝を曲げて行うものや、膝を伸ばして行うもの、不安定なものに脚を乗せて行うものなど、様々なやり方があります。実際、これらのやり方で筋肉が活動する量も変わってきます。
膝を曲げてのサイドブリッジ(A)と、膝を伸ばしてのサイドブリッジ(B)の腹筋の活動を調べた研究があります。
膝を伸ばした方(B)が下側の内腹斜筋と、両側の外腹斜筋 の活動が大きくなったそうです。
体を支える面のことを支持基底面といい、(A)では膝の部分、(B)では足の部分を言います。
支持基底面が大きく、圧の中心の位置が、中心に位置するほど、その姿勢の安定性が増す、とのことです。
膝を伸ばした状態では、支持基底面が小さい面積で存在しています。
このことは、体をより前に回すようにして、保持することが必要になることを示します。
下側に体を回すということなので、回旋方向と同じ方向の内腹斜筋が働き、回旋の方向と反対側、ここでは上側ですが、そちらの外腹斜筋の活動が上がったという理由も説明できます。
そして、骨盤と、脊椎を一定に保つには、下側の内腹斜筋、外腹斜筋(と腰方形筋)の活動が必要となります。
そのため、下側の内腹斜筋が働き、同じように下側の外腹斜筋が、骨盤と脊椎を一定に保つため働いたとのことです。
サイドブリッジは体を回す筋肉たちを、より効率よくトレーニングさせるために有効で、さらに効率を高めるには膝を伸ばした状態で行うとよいと言えます。
サイドブリッジは(特に膝を伸ばした状態でのサイドブリッジは)、体を横に傾ける脇腹の作用だけでなく、体を回す作用によっても、脇腹を使っているのです。
脇腹のエクササイズには、その脇腹の筋肉のつき方の特性上、体をねじることも、体を傾けることも、どちらも大事になってきます。
そのどちらの作用も含んでいるサイドブリッジ、さすがお腹まわり安定化エクササイズのビッグスリーの一つだといえます。
サイドブリッジにおける体幹筋活動に関する筋電図学的考察
An examination of electromyography with trunk muscle action in side-bridge position
川島 康洋、 伊藤 俊一、 隈元 庸夫、 湯浅 敦智