動作を行うときの最も安定しているべき部分として、胴体つまり体幹部は存在します。
お腹の奥にある腹横筋も、表層にある腹直筋などもどちらも大事です。
機能的な腹筋を考えたとき、なかでも重要なのは、“働く順番”であり、体幹の深層にある筋肉(体幹深層筋)が働いて脊柱を安定させた上で表層にある筋肉(体幹表層筋)が働いて固定すること、または、動作を起こすことです。
体幹深層筋→体幹表層筋→固定、動作
奥から表それが安定性や動きにつながる
体幹深層筋は、直接脊椎に付いていることからローカル筋ともいわれ、また体幹表層筋はグローバル筋ともいわれます。
ローカル筋・体幹深層筋は、筋肉の付いているところから付いているところまでの距離が近いため、動作を起こす力は大きくなく、どちらかというと筋肉の長さを変えずに力を発生するアイソメトリック(等尺性)収縮をして腰椎を安定させたり、緊急で動作しなければならないなどといった事態に応じて必然的に筋肉が引き伸ばされながら力を発生するエキセントリック(遠心性)収縮をし体幹の安定性を確保します。
このような特徴から体幹深層筋は腰椎を安定させる機能を持つことから、安定化の意味を持つスタビライザーとも呼ばれます。
スタビライザーとして体幹深層筋を使えないといった筋肉の機能低下が起こると、さまざまな障害やパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。
そのため、体幹深層筋の機能向上トレーニングをすることが大事です。
そして、体幹深層筋の機能が十分に備わってきた場合は、深層筋を使いながら表層筋のトレーニングをすることが大事です。
どちらかが使えないままトレーニングするというのはマズイです。
体幹深層筋のトレーニングにはドローインなどの体幹部にフォーカスした運動があります。
また、特定の姿勢を保持する、いわゆるスタビライゼーショントレーニングです。
こちらはおもにブレーシングを用いて、トレーニングしていきます。
上記の腹筋の使い方はどちらが大事というわけではなく、どちらの使い方も行えることが大事です。
また個別の動作に適した体幹の使い方があるので、走るための腹筋、ジャンプするための腹筋、投げるための腹筋など、動作に合わせたトレーニングも必要になります。
↓一例です。