原因不明と特定されている慢性腰痛
腰痛は全体の8割が原因を特定できないといわれます。
腰痛に対する腹横筋の活動
上記のような腰痛を緩和する腹筋として、腹筋の深層の筋肉である腹横筋が大きく貢献しているといわれます。
腹横筋の特徴で有名なのが、身体動作の前に一番最初に働くというフィードフォワード動作です。この動作のあとに手足の速い動きなどが起こるといわれています。
腰痛の患者ではこの特徴がみられないといった報告があることからも、腹横筋の活動が腰痛対策に重要であることがわかります。
また、腹横筋は腹腔内の圧力を高めることによってその剛性を高めることができます。
これらの知見に基づいて腹横筋の機能を向上させることは腰痛の痛みや障害を軽減することができると思われます。
腹横筋エクササイズを日常生活に落とし込むために
腹横筋のエクササイズである、ドローイン=腹部引き込み動作は代表的なエクササイズ種目となっています。
上記のような腰痛(特に初期段階)に対する効果的な腹横筋エクササイズのポイントとして、腹横筋の活動が、外腹斜筋から独立している必要があります。
このような腹部引き込み動作を習得することができれば、それこそどこでも行うことができます。腰に違和感を感じる日などは少し腹部引き込み動作をしてあげれば違和感が取れるなんてこともあるかもしれません。
ただ、ドローインは姿勢によって活動する筋肉に差が出てくるという報告があります。そういったことから、いろいろな体制での種目を取り入れていくといいかもしれません。
膝角度90度の仰向け姿勢、うつ伏せ姿勢、四つん這い姿勢、壁から15センチほど離れたところから壁に背中をもたれさせた姿勢といった、これら異なる4つの姿勢においてドローインを行なったときの腹筋の活動について調べた研究があります。
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↓写真がだいぶイメージになってしまいました。申し訳ありません。
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なかでも腹横筋が強く働いたのはうつ伏せ姿勢でした。ただ、こちらにおいては外腹斜筋の活動量も上がっていたことから、なるべく外腹斜筋の活動を抑え、腹横筋だけを活動させるには、そのためのトレーニングが必要になってきますし、それこそ別の姿勢で習得を目指すといいでしょう。
上記のような外腹斜筋の活動を抑えて、腹横筋を活動させていた種目はあお向け姿勢でした。
あお向け姿勢はドローインを習得するのに行いやすい姿勢でおすすめであるといわれます。いろいろな姿勢でドローインができるようにし、やがて日常に落とし込めるようになるといいと思います。その頃には腰痛とは無縁な体になっているかもしれません。
ぜひ参考にされてみてください。
Activation of Abdominal Muscles during Abdominal Hollowing in Four Different Positions
DunN PARK、HyuNoK LEE