「腹筋」を鍛えるにはグローバル筋、ローカル筋、それぞれを意識することが大事です。
グローバル筋とはいわゆる表面の大きな筋肉、
ローカル筋とは脊椎のコントロールに関与する深部の筋肉のことをいいます。
とくにローカル筋のうち、腹横筋は方向に関係なく、脊椎の剛性を高める、いわゆる強くする、そして何より、身体動作を起こす際に先行して活動するという特徴をもちます。
「腹筋」はいろいろな筋肉(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)で構成されており、それぞれをそれぞれで刺激しようとすることも大事ですが、
腹筋群として連動するよう、「腹筋」の機能トレーニング(この場合は背筋なども含まれてきます)も重要だったりします。
スポーツに体幹トレーニングが取り入れられる理由
腹横筋と身体運動について調べた研究がありますが、パフォーマンスまで調べるとなると、いろいろな要素が絡んでくるので、研究については非常に難しいものとなってきます。
論文を読む側としてもいろいろな要素がどうなっているのか意識して読むことが大切になってきます。ただやはり、おもしろいです。内容を読む前に、テーマをみるだけでもドキドキワクワク興奮します。
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腹横筋筋力、腹筋、背筋筋力、および、それらの筋力比とカラダのバランス能力について調べた研究があります。
ちなみに、腹横筋に関しては厚みを測って計算(腹横筋が使われているときと安静時の厚みの差を安静時の厚みから割ったもの=腹横筋の筋力)されていました。これは筋肉の厚みは筋力を示すとされているためです。
結果ですが、バランス能力とそれぞれの筋力、および、筋力比に関係性は認められなかったとのことです。
これは、弱い筋肉をほかの筋肉が補っている可能性もあるため、関係性がなかったとされていました。それぞれが単独で関係しているのではなく、全体でとらえることが重要であることを示しています。
「腹筋」(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)の「機能トレーニング」に関しては表面の大きな筋肉グローバル筋、脊椎のコントロールに関与する深部の筋肉ローカル筋、それぞれ個別で捉え、考えるのではなく、機能全体で捉え、トレーニングすることも重要と再認識できました。
奥が深いぜ「腹筋」。
↓機能的な腹筋トレーニング例です。参考にされてみてください。
第48回日本理学療法学術大会(名古屋)体幹安定性と運動パフォーマンスローカル筋・グローバル筋に着目して中北智士、福本貴彦 畿央大学健康科学部理学療法学科