ターザン腹筋王子カツオです。
TARZANフッキン王子

今回のテーマは腹圧性尿失禁についてです。

腹筋と尿失禁?
一見、関係なさそうにみえますが、実はバッチリ関わっています。
腹筋と尿失禁が関わっているということで、実は、腹筋の筋トレでなんとかなる部分もあるのです。ぜひ参考にしていただきたいと思います。

尿失禁について

腹筋やトレーニングに触れる前に、尿失禁についてみていきたいと思います。

尿失禁は直接命に関わる病気ではありませんが、生活の質Quality Of Life(QOL)に支障をきたす病気であるといえます。

職業、家事、子育て、地域活動などを通してアクティブに生活する女性を悩ます尿失禁。長い間、悩んでいながらも、羞恥心のため、受診をためらう、という方も少なくないそうです。

男性の尿に関わる問題のほとんどが前立腺に関係しているのに対して、女性の尿失禁の原因の多くは、実は妊娠・出産で生じた骨盤底の障害によるものと言われています。

尿失禁の患者数
ー尿失禁などのトラブルで困っている女性は多いー

日本では成人女性の3人に1人、数にして、400~500万人が尿失禁を経験しているといわれ、一般的に、よくある症状と言えます。

尿失禁というと、中高年の女性に多いトラブルのように思われるかもしれませんが、20代~30代でも1~2割りの人が経験しているという報告があります。

尿失禁は若い女性にも、男性にもみられる症状なのです。

尿失禁の定義

国際禁制学会では、尿失禁とは、客観的に認められる、無意識あるいは不随意な尿もれで社会的にも、衛生的にも問題になる状態と定義しています。

尿失禁にはいろいろなタイプがある

尿失禁は原因や漏れ方によって、大きく次の4つに分けられます。
腹圧性尿失禁…おなかに力が入ったはずみで、もれてしまう。
切迫性尿失禁…トイレにいきたいと思ったら、我慢できずにもれてしまう。
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁…尿があふれて絶えず、チョロチョロと漏れてしまう。
機能性尿失禁…体が不自由、認知症があったりして、漏らしてしまう。

このうち腹圧性尿失禁はもっとも多くみられるものだそうです。

今回はこの、腹筋も関わっているといえる腹圧性尿失禁についてみていきたいと思います。

咳やくしゃみで、もれてしまう腹圧性失禁

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)は英語では stress urinary incontinence といわれたりします。

腹圧英語でいうと、abdominal pressureですので、abdominal pressure – induced incontinenceとあらわされたりもします。

そのほか

stress incontinence 

urinary stress incontinence 

というのが英語の訳になります。

腹圧性尿失禁の場合、起こりやすいのは、咳やくしゃみをしたときや、大笑いをしたときなどがあげられます。
スポーツをしたとき、重いものを持ち上げたときにも起こるとも言われています。

はじめは、くしゃみをしたときにわずかにもれる程度でも、進行すると、歩行や階段の上り下りといった日常動作でも漏れるようになります

それに伴って、漏れる頻度も増していきます。

腹圧性尿失禁になりやすい人の特徴

腹圧性尿失禁になりやすい人の特徴は以下の通りです。

・太っている人
・筋力がない人
・40歳以上の人
・2回以上出産経験のある人
・便秘ぎみの人

腹圧性失禁は女性にもっともよく見られるもので、尿失禁の患者の大半を占めています。

特に、40歳上の方、2回以上の出産経験がある方にこのタイプの尿失禁がみられることがあるとのことです。

また、近年、出産経験のない若年女性においても 24%の割合で腹圧性尿失禁がみられることが報告されています。

妊娠中は、胎児によって、膀胱や骨盤底が圧迫されるため、尿失禁が起こりやすくなるそうです。
この場合、出産してしまえば、元に戻るようなので、妊娠中の尿失禁は心配要らないようです。

出産直後の尿失禁について

出産直後の尿失禁は、出産時に骨盤底の筋肉が傷んでしまうことで起こりますが、これも一時的なもので、4ヶ月ほどで自然に治るそうです(なかにはいつまでも治りきらず、尿もれが続いたり、歳をとってから再発することもあるそうですが)。

腹圧性尿失禁は、軽度の方であれば、骨盤底筋体操や手術などの治療を行えば、完治も可能とのことです。

重度の方でも、今は様々な治療法が開発されているので治癒も可能とのことです。

先に出てきた、切迫性尿失禁に関しても、骨盤底の体操は有効とのことです。

病気がない場合は薬を使った治療(薬物療法)も行われるようです。

薬物療法

まずは、薬物療法について。
薬は尿失禁の回数や量を減らす目的で使われます。軽度から中等度の方には効果はありますが、重度の方には効きません

薬によって、治療の鍵となる骨盤底筋は鍛えられません。

あくまでも薬は対症療法とのことです。
根本的に治すわけではないので、服用中は尿失禁が改善しても服用をやめると元に戻ってしまいます

骨盤底筋体操を行いながら、補助的に使用されるのが通常です。

腹圧性尿失禁に対する薬としてもっとも使用されているスピロペン

腹圧性尿失禁に対する薬物療法でもっとも使用されているのがスピロペントです。

スピロペントは日本では腹圧性尿失禁の治療薬として唯一認められている薬です。健康保険も適用されます。

スピロペントは、もともと、気管支喘息(きかんしぜんそく)の患者さんに用いられる薬でしたが、膀胱をリラックスさせ、外尿道括約筋を活動させて、尿道を閉じる役割があることがわかり、腹圧性尿失禁の治療薬にも使われるようになりました。

副作用について

スピロペントの副作用として手や指が震える、気分がわるくなる、頭痛、動悸などが起こることがあるそうです。このような症状が出た場合、主治医に相談するようにしましょう。

腹圧性尿失禁では、長期にわたって、スピロペントを使用することはありません。

骨盤底筋体操の効果があらわれるまでのあいだ、症状を緩和するために使う、漏れると困るときだけ飲むというのが一般的です。

手術療法

手術療法が有効なのは腹圧性尿失禁だけです。
既述した4つの尿失禁のうち、腹圧性尿失禁であれば手術で治すことができます。

手術を行うかどうかは、重度の方は手術、軽度の方は不要と決まっているわけではなく、ライフスタイルや希望を尊重して、相談のうえで決定します。

かつては、重症で日常生活に支障をきたすような方が手術を行っていましたが、体の負担が少ない手術方法が開発された今は、生活の質を変えたいという方にも選択肢のひとつとなっています。

手術法はいろいろありますが、目的は同じで、膀胱頸部や尿道の位置を修正したり、支えたりして、尿道のしまりをよくします。そのやり方が少しずつ異なるというわけです。

腹圧性尿失禁の手術について

TVT(Tension -free Vaginal Tape)手術
TVT手術は、膣壁を小さく切開して、そこからテープを入れ、尿道の中程を支えるものです。
そのテープの周囲にコラーゲンや結合組織が付着して、緩んだ靭帯を補強するような役割を果たします。
腹圧がかかったときには、尿道が開かないようにテープが支えて、尿失禁を防ぐ仕組みになっています。
このテープは心臓外科手術に用いるポリプロピレンという糸を使っているので、異物反応を起こすことはほとんどありません。

局所麻酔だけで行うことができ、所要時間は30分。開腹不要で、切開創も膣壁と、恥骨の左右の皮膚に、それぞれ1cm程度とごく小さくて済みます。
手術の成功率は90%前後で、再発率も少なく、優れた手術法です。

日本では1999年から行われるようになり、健康保険も適用されます。
現在主流となっている手術法の一つです。

TOT(Trans-obturator Tape)手術
TOT手術は、TVT手術をさらに安全に改良したものです。

TVT手術と同じく、テープで尿道の後ろ側を支えますが、テープの通過経路が異なります。TOT手術では、テープは閉鎖孔という骨盤の穴を抜けて恥骨の前を通り、内腿(うちもも)の付け根に出ます。
テープの通り道に太い血管や重要な臓器がないため、TVT手術のように誤って、重要な臓器を傷つけるおそれがありません。骨盤内の手術歴がある方や、肥満の方も安心して受けられます。

欧米ではこのTOT手術が主流となっており、
日本でも2012年9月から健康保険適用になったとのことで、今後、急速に普及していくことが期待されています。

その他の手術療法について

その他にも、腹圧性尿失禁に対する手術療法はありますが、
TVT手術やTOT手術に比べると、体の負担が大きく、今ではこれらの手術はあまり行われなくなりました。

術後について

TVT手術もTOT手術も数日で退院できますが、術後1ヶ月は傷に触れないように、自転車に乗らない、重い荷物を持たない、性行為をしない、激しいスポーツは控えるなどの注意が必要です。術後8日後からは入浴はできます。

また、手術によって、尿失禁が治っても、筋肉が強くなったわけではないので、術後も骨盤底筋体操を続ける必要があります