腹横筋について
「腹筋」の深層に腹横筋(ふくおうきん)という腹筋があります。
腹横筋は腰のくびれづくりなど、お腹をスリムにする腹筋として、ぜひ意識したい筋肉であったりします。
また、腹横筋は腹圧や腰の安定性に関わっているため、腰の機能低下や障害など腰痛対策の面からも大変重要となります。
腹横筋とフィードフォワード機能
腹横筋は、なにか動作をするときに一番最初に働く部分であり、その機能をフィードフォワード機能といいます。
腰痛を患っているかたのなかには、このフィードフォワード機能がうまく働かないという報告もあります。
腹横筋のトレーニングによって、 このフィードフォワード機能を働かせていきたいところですが、腰痛持ちのかたが、あお向けと横向きの姿勢でトレーニングを行った場合、横向きの姿勢では腹横筋の活動がうまく出せなかったという報告があります。対して、あお向けでは活動させることができていました。ちなみに腰痛持ちではないかたではどちらの姿勢でも腹横筋を活動させることができていました。
腰痛を患っている方では姿勢によって腹横筋の働きに影響が出る可能性があり、腹横筋をうまく働かせられない場合はあお向けでのトレーニングがよいかと思います。
腹横筋のトレーニング
それでは、腹横筋のトレーニングについて触れておきたいと思います。
腹横筋の代表的なエクササイズといえば、腹部引き込み動作が効果的だと報告されています。
腹部引き込み動作は、簡単に言えば、きつめのズボンを履くときに行うような、お腹を凹ませる動作です。
シットアップのような腹筋運動が苦手といったかたなども、このような腹筋運動からはじめていくといいでしょう(これも立派な腹筋運動ですので)。
腹横筋は呼吸のための主要な筋肉ですので、呼吸に合わせてお腹を膨らませる、へこませるといったエクササイズを行います。
たとえば、10秒息を吐きながらおへそまわり、下腹部を薄くしていく、これを5~10セットほど行えるといいです。
慣れてくるとこれらは気軽にできるようになるのでトレーニングの時間帯以外でも気がついたら行えると効果的です。 腹横筋のトレーニング自体、強度はそれほど高くはないので、ほぼ毎日行ってもいいでしょう。
ポイントをまとめた動画を以下に貼っておきます。ぜひ参考にされてみてください。
姿勢別腹部引き込み運動の検討
―健常者と腰椎疾患患者の筋厚変化率の差に着目して― 奥貞 見奈、辛嶋 良介、近藤 征治、杉木 知武、川嶌 眞之、川嶌 眞人