肩のインピンジメント症候群と「腹筋」について

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ふとした時に起こる肩痛、違和感や痛みは、その度合いはわずかでも不快感となり得ます。中でも肩部の筋肉の挟み込み、いわゆるインピンジメント症候群は痛みや違和感を感じない場合もありますが、症状となってあらわれた場合はスポーツ動作のみならず日常生活動作にまで影響を及ぼしかねません。

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肩痛
 

 

肩の回旋筋腱板や前鋸筋、僧帽筋の機能低下、肩甲骨運動異常など原因は様々ですが、これらがインピンジメント症候群の起こる要因になるといわれています。

 肩甲骨
 
 また、インピンジメント症候群のリスクとして、速度の速い腕の挙上動作も要因としてあげられます。
 挙上
 
 上記のことにくわえて、腹筋との関わりでいえば、腹筋を含めた体幹の機能低下が認められていることもインピンジメント症候群では多いのです。(ここでも関わる腹筋!)
 
腹筋群の筋肉の活動は、仰向けのような横になっている時よりも、立ち姿勢で増大します。中でも内腹斜筋や腹横筋の活動量が増大するといわれています。
 
腕を挙上する際の「腹筋」の機能としては、フィードフォワード機能という動作に先行してまずはじめに腹横筋の活動が起こるというものが代表的ですが、腕を上げているその動作中は腹筋群の活動はどのようになっているのでしょう。
 
腕の挙上動作中の腹筋との関係および腕の挙上スピードを変化させたときの腹筋群の活動量を調べた研究では、、、
 
挙上スピードを速くした場合、腹筋群の活動量が安静時に比べて高くなっていました。
スピードの速い腕の挙上動作では、運動による反力や姿勢の変化による重心移動をコントロールするために、フィードフォワードとして腹筋をはじめとした体幹筋群が先行して働くことが報告されています。腕を上げている間、身体への反力や重心移動が大きく生まれ、それをコントロールするために、肩関節の筋肉群だけでなく、腹筋群の活動量も必要となったため腹筋群の活動量が高まったのだろうといわれています。
 
また、挙上スピードを通常速度や、よりゆっくりした場合では、腹筋群の活動量は安静時に比べて差がありませんでした。
 
この場合は肩関節まわりの筋肉の活動がより重要であるといえ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、いわゆる回旋筋腱板の機能や僧帽筋、前鋸筋のコンディション状態、運動異常のない肩甲骨のスムーズな動き出せることが大事になってくるといえるでしょう。
 
以上のことからスポーツ動作など早いスピードで腕を上げる場合は、腹筋群の筋肉の活動が大事であるといえます。また、早いスピードを必要としない腕の挙上動作では、安静時と比べ腹筋群の筋活動が変化しないことから肩関節まわりの機能がしっかりとしていることが大事といえます。
 
以下は腕の挙上スピードを利用した腹筋コアトレーニングの動画です。
なお、挙上スピードもインピンジメント症候群の要因となることからナチュラルな腕の挙上動作の確認やそれらに関わる筋肉群のリリースをしてから行うことをオススメします。
 
 《参考文献》
異なる挙上速度における一側上肢挙上時の腹部筋群の筋活動特性
高橋和宏、山路雄彦、白倉賢二

 

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