効果的な腰痛体操からみる腹筋の筋トレ

効果的な腰痛体操からみる腹筋の筋トレ

程度にもよりますが、運動が腰痛に対して経済的で効果的であるということは周知のとおりです。

プランク

とくに、カラダを保持するような安定性のトレーニングは腰痛対策にオススメと言われています。安定性のトレーニングにはもちろん「腹筋」も関わっています。きっとこれが腰が痛ければ腹筋しろといわれる要因かもしれません。シットアップのような腹直筋を鍛える運動をガツンガツンやりなさいというわけではないのです。やり方によっては余計腰を痛めてしまう可能性もあります。安定性のトレーニングで「腹筋」の奥の筋肉を鍛えることが腰痛対策に重要です。今回は腰痛によいといわれるエクササイズブリッジエクササイズと腹筋についてみていきましょう。

クランチ

 腰痛対策によいといわれるエクササイズ

ブリッジ運動

腰痛対策によいといわれるエクササイズのうちブリッジエクササイズがあります。背中側の奥にある筋肉の他、腹直筋や内腹斜筋などの「腹筋」も活動しています

ブリッジエクササイズのバリエーションも様々あります。各バリエーションそれぞれで筋肉の活動に差が出そうですが、3種のブリッジを行ったときの筋肉の活動量を比べた研究がありますのでそれを参考にみていきたいと思います。

一般的な方法(1)

ブリッジ運動

これに膝の間にリングを挟んでのブリッジ(2)、

ストレッチポール

そして、ストレッチポールのようなフォームローラーという筒上の発泡スチロールの上に足をのせて行うブリッジ(3)

研究は若い女性と中年女性の腹直筋、内腹斜筋および背中側の、奥と表側の筋肉を比較したものでした。各種目(1)(2)(3)での筋肉の活動比率は、腹直筋と内腹斜筋の比率、腰側の奥の筋肉と表の筋肉の活動量の比率も、種目が変わっても差はみられなかったということです。

ただ、筋肉の活動量自体はリングを膝に挟んだブリッジエクササイズがもっとも大きくなり、3種目の中ではリングを膝に挟んだこのブリッジエクササイズがもっとも効果的であるということが述べられていました。

筋肉としてのつながりでみれば、内転筋が働くことで腹筋の活動量が上がります(長内転筋−腹直筋、大内転筋−骨盤底筋−腹横筋−内腹斜筋などのつながり)。このことから、一般的なブリッジエクササイズが慣れてきたら、上記のように、脚にリングやジムボールを挟んで、骨盤底筋群や臀部内転筋などを刺激した上でのブリッジエクササイズを取り入れていくといいでしょう。腰そして腹部の活動が増え、より効果的なエクササイズとなります。このように腰痛体操にも「腹筋」が関わっています。上記のようなつながりを理解することでエクササイズの幅が広がります。腹筋はたくさんの筋肉との連結があり、その筋肉とのつながりを強めることで効率よく効果的なエクササイズを行うことができるのです。

参考文献:Effects of Three Bridging Exercises on Local and
Global Muscles of Middle Aged Women
Ji Kyeng Jeon, PT, MS1), Hee Sung Lim, PT, MS1), Sung Rae Shin, Rn, PhD2),
Bo Hyun Kim, MS, PT1), Suk Min Lee, PT, DDS, PhD1)*
1) Department of Physical Therapy, Sahmyook University: 26-21 Gongneung2-dong, Nowon-gu, Seoul
139-742, Republic of Korea. TEL: +82 2-3399-1630, FAX: +82 2-3399-1638
2) Department of Nursing, Sahmyook University