側筋は骨盤矯正のカギ?
「腹筋」の中でも側腹筋、いわゆる「側筋・そっきん」とは腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋を含んだサイドの腹筋群のことをいいます。これらは身体の安定性に関与し、骨盤にも影響を与えるといわれています。
今回はこの「側筋」と骨盤のお話をしていきたいと思います。
骨盤と腹筋の左右差について
骨盤と「腹筋」は密接に関わっていますが、「腹筋」に左右差があった場合、骨盤の左右差に影響を与えることはあるのか、つまり筋肉の付き方によっては骨盤は歪むことがあるのでしょうか。
どんなに左右均等に気を遣っていても、日常でさえ利き手による影響もありますので極端にバランスよくというのは無理といえます。腹筋に着目していえば、どんな場面においても非対称的な「側筋」の活動がなされているといえるでしょう。そんな「側筋」の活動が実際、骨盤の非対称へ影響を与えるのでしょうか。
右利きの健康な成人を対象に、座った姿勢での「側筋」と骨盤の対称性に左右差はみられるかを調べた研究では、「側筋」の左右差が骨盤の非対称性に影響は与えないとしています。左右の「側筋」がうまくバランスをとっているのです。
ちなみにこの「側筋」をもう少し細かくみてみると、右利き場合、左側の腹横筋の方が右側に比べて厚く、内腹斜筋は右側の方が厚くなっているとの結果が出ていました。外腹斜筋に関しては左右差はみられていませんでした。
腹横筋は身体の安定性に、内腹斜筋はねじり動作などに関与しています。腹横筋と内腹斜筋は協調して骨盤のベルトを引っ掛ける部分(上前腸骨棘)を内側へ引く作用があり、右利きの人は右利き側の動作を起こすとき右側の「側筋」から動作を起こし、左側の「側筋」で姿勢をコントロールします。そのため、内腹斜筋をよく活動させる側である右側の内腹斜筋の方が厚くなります。また、左側の「側筋」の中でも身体の安定性、コントロールに関与する左側の腹横筋が働き厚くなると考えられます。そうすることで水平面上で骨盤を左右均衡を保っていると考察されていました。体はよくできていてちょっとやそっとじゃ歪まないのですね。腹筋さん、ありがとう。これが腰痛のかたなどではどうなっているか気になるところです。関連する文献を見つけたらぜひ紹介させていただきますね。
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側腹筋の筋厚と骨盤アライメントの関連性について
角田 裕輔1),浅野 友香1),後藤 安奈1),飯田 崇秀1),上田 泰久2),岩﨑 裕子2)
1)文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科 4 年生,2)文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科
key words 側腹筋・骨盤アライメント・座位