腹筋の筋トレメニューの選び方①腹直筋
腹筋種目は実にさまざま。メニューの選び方としておすすめのものを見ていきましょう。
腹直筋の筋トレについて
腹直筋は6パックをなす部分。
腹筋と聞いて一般的に一番に想像しやすい部分だと思います。
「腹筋」の見た目の大半を決める部分なので、ほとんどの方が気になるところではないでしょうか。
その腹直筋に筋肉の活動量を調べることができる筋電図をつけて、腹筋運動の種類や体の角度によっておこる、「腹筋」活動の違いを調べた研究※1)がありますので、そこからより効果的な種目というのをみていきたいと思います。
Vシットアップ(V字腹筋)の効果はやはり大きかった
・股関節の角度(60度、90度)を変えた腹筋
・両足にボールを挟んだ腹筋(股関節角度60度)
・Vシットアップ(V字腹筋)
これらのなかでは一番活動が大きかったのがVシットアップでした。
他の種目に関しては特に活動に差はなかったとのことです。
股関節の角度(研究では60度と90度)による骨盤への影響で腹直筋が引っ張られ、それによって筋活動が大きくなるわけではなく、股関節の角度を変えても筋肉の活動に差は少なかった、これも興味深いです。
別の研究では上体の角度30度がその他の角度(60度、90度)に比べてもっとも腹直筋の活動が大きかったという報告があります。Vシットアップの角度はちょうど30度の角度で動作を繰り返すようなフォームになります。こういったことからもVシットアップが腹直筋のトレーニングとしておすすめということがいえるでしょう。ただしVシットアップは強度も高く、姿勢が崩れがちです、そのような場合は通常のシットアップを上体角度30度で行うといいかもしれません。
腹直筋下部の筋トレにもVシットアップ
腹筋の筋トレをしていくうえで、気になってくるのが腹直筋下部の種目。
腹直筋の下部は、なかなか意識しにくい部分でアプローチが難しいという方も多いと思います。
実は腹直筋下部へアプローチする上でもVシットアップはオススメであったりします。
研究において、Vシットアップでは腹直筋の下の部分でも筋肉の活動が高くみられました。これは、脚を上げることで、ほかの種目と違い、骨盤を固定しようとする作用が起こり、腹直筋下部の筋肉の活動が高まったためだと考えられます。
「腹筋」のトレーニングではあらゆるカラダの工夫で刺激の調整が可能です。
実際自身のカラダで試して何が刺激できるか感覚的にわかってはいても、こうやって研究や文章によってあらわされていると、あらためてフィードバックできたり、新しい発見ができたりするので、かなりの腹筋躍動ものです。これからもこういった興味深い文献を読みあさって、当コラムをご覧になってくれている方にお知らせできればと思います。
参考文献
1)腹筋運動の違いによる腹直筋の筋活動
水島健太郎,梶家慎吾,佐々木麻巳子,長谷裕美,佐藤伸明,山坂裕樹,細見幾代,木澤清行 鐘紡記念病院リハビリテーション科