体づくりのための腹筋のエクササイズについて

体づくりのための腹筋のエクササイズについて

今回の腹筋エクササイズはからだ作りをテーマにしたお話になります。

まず最初に腹筋とエクササイズ、からだ作り関連の論文を取り上げると以下のようなものがあげられます。

  1. Changes in Waistline and Abdominal Girth and Subcutaneous Fat following Isometric Exercises
  2. The Effect of Abdominal Exercise on Abdominal Fat
  3. Effect of an Endurance and Strength Mixed Circuit Training on Regional Fat Thickness: The Quest for the “Spot Reduction”
  4. Effects of high-intensity circuit training, low-intensity circuit training and endurance training on blood pressure and lipoproteins in middle-aged overweight men

上からざっと見ていきます。

1.Changes in Waistline and Abdominal Girth and Subcutaneous Fat following Isometric Exercises

筋肉の長さを変えずに力を発揮させる(等尺性収縮)ような腹筋種目を続け、その変化をみた研究です。脂肪燃焼はありませんでしたが引き締まり効果がみられていました。別の研究においてもこのような引き締まりに加えて姿勢がよくなったという報告もあります。これは奥の腹筋である腹横筋が活動、厚みを増したことによるといわれています。よい姿勢というのは充実した生活を送る上でも大事になってくるかと思います。腹筋は土台ですね。

 2.The Effect of Abdominal Exercise on Abdominal Fat

端的にいえば、腹筋のみで痩せられるかという研究です。結果は腹筋の筋持久力は上がりましたが、脂肪の減少には変化はありませんでした。→腹筋運動のみでは体脂肪減少を伴った腹部変化は難しいです。

3.Effect of an Endurance and Strength Mixed Circuit Training on Regional Fat Thickness

特定の部位の筋肉を集中的に鍛えるトレーニング方法をスポットリダクショントレーニングといいます。それをサーキットトレーニングと組み合わせたスポットリダクションサーキットトレーニングを続けた結果、体重とお腹の皮下脂肪組織が減少していたととのことです。スポットリダクションサーキットトレーニングは、お腹の皮下脂肪組織の蓄積を局所的に減少させる効果的な戦略であるかもしれないと研究では示唆されていました。

また、別の研究になりますが、2017年のローマ大学の研究によりますと、全身の脂肪を燃やす有酸素運動と特定の部分(腕または脚)に焦点を当てたトレーニングプログラムの組み合わせによって、部分的な脂肪量の減少がみられたといいます。

以上のことから「部分痩せ」のポイントは、一部分だけを痩せようとすることではなく、全体的に痩せること、全身の脂肪を燃やすことを前提とし、部分的な筋トレを組み合わせるといいでしょう。

その際の有酸素運動としては、4.の研究が参考になります。

4.Effects of high-intensity circuit training, low-intensity circuit training and endurance training on blood pressure and lipoproteins in middle-aged overweight men
※この研究では高強度のサーキットトレーニングが、持久力トレーニングのみや低強度のサーキットトレーニングよりも血​​圧、リポタンパク質、中性脂肪の改善に効果的であることが示されていました。

以上のことにから有酸素運動としては高強度のサーキットトレーニングを行い、その負荷設定としては最大心拍数の75%ほどで行っていくとよいでしょう。RPEという強度設定がありますがそれを参考にすると、キツさを10段階としたとき、7から8くらいで行うといいです。

もちろん、からだづくりにはカロリー制限や栄養バランスの良い食生活を心がけることが大切ですか、上記のスポットリダクショントレーニングに有酸素運動(サーキットトレーニング)も合わせて行うことで、全身的かつ部分的な脂肪燃焼を促進することができるでしょう。

部分痩せに悩んでいる方は、スポットリダクショントレーニングと食事、有酸素運動の3つを併用して取り組むことをオススメします。効果的なトレーニング方法を取り入れて、健康的に美ボディを手に入れましょう!

ちなみに食事のみで体重を落としたとしても、引き締まったウエストやシックスパックは手に入りません。食事のみで落とした腹筋は平坦で、ちょっとの薄い脂肪の層でも隠れてしまいます。他のコラムでも書きましたが、5か月の低カロリーダイエットで、女性の腹部脂肪細胞のサイズが逆に増加したという研究もあったりします。※カロリーが欠乏すると、体は脂肪組織から大量の脂質を動員しますが、このうち、脂肪の3分の1程度しか燃焼できず、残りの3分の2は再び貯蔵されてしまうとのこと。このことからも食事のみというのはおすすめできません。引き締まったウエスト、割れた腹筋とは程遠いものとなってしまうでしょう。