ドローインの効果について
おなかを引き締める、お腹を凹ます、くびれを作るなど、おなかまわり関連の著書を覗くと必ずといってもいいくらい出てくるドローイン。
シットアップやレッグレイズなど腹筋をたくさん動かすトレーニングと違い、ドローインというエクササイズはおなかを動かしているという実感は少なく、ただやれといわれても、なかなか分かりにくいものです。それゆえに、ドローインは効果がないのではないか、と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
効いている感覚を求めて、ドローインをついつい省略してその他の腹筋のトレーニングを選びがち。でもやっぱりおなかを引き締めるなどにはこのエクササイズは外したくないです。今回はドローインの効果についてみていきたいと思います。
｢腹筋｣をガンガンに追い込むときは、必ずこのドローインエクササイズを行って｢腹筋｣を目覚めさせてから行うことをおすすめします(外腹斜筋のトレーニング時は除きますが)。
ドローインというのは下腹部の引き込み動作によっておなかを活動させるというもので、ただお腹をへこます、薄くするというものではありません。ドローインを行うと腹横筋が内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋に比べ、顕著に活動します。
ドローイン時、腹横筋が活動しているかを調べるひとつの目安として、胸の部分を引き上げず、上前腸骨棘という骨盤の上部分から指2本分内側を触ってみて硬くなっているかを確かめるといいです。腹直筋をなるべ硬くしようとせず、外腹斜筋を硬くしようと意識するのもいいようです。
腹横筋のエクササイズにはこのドローインエクササイズが有効で度々その他の腹筋コラムで登場しています。
腹横筋を使えることによって腹筋のトレーニング効果も上がります。レッグレイズという下腹部を主に刺激するといわれている腹筋運動においても、下腹部引き込み動作(ドローイン)を組み合わせることによって、内腹斜筋、腹直筋の活動も高まると言われています。
基本的に、外腹斜筋のエクササイズ種目や伸展といった筋肉が引き伸ばされながら力を発揮するようなトレーニング種目以外はドローインを組み合わせるといいでしょう。これについては他のコラムでもまたお話していきます。
506 日本臨床スポーツ医学会誌：Vol. 22 No. 3, 2014.
原 著 下腹部引き込み動作時の下肢の
位置による腹部深層筋の筋厚
Abdominal muscle thickness during abdominal hollowing
in various supine positions
永井秀幸，赤坂清和，乙戸崇寛
澤田 豊，大久保雄，陶山哲夫