腹筋種目「ドラゴンフラッグ」のやり方と気になる効果について

腹筋種目「ドラゴンフラッグ」のやり方と気になる効果について

ドラゴンフラッグ

今回は、男なら誰もが憧れてしまう(?)腹筋種目「ドラゴンフラッグ」についてです。腹筋種目「ドラゴンフラッグ」のコツは一体どんなものなのでしょうか。みていきましょう。

ドラゴンフラッグとは、運動の軸を頭側とし、それ以外の体を一つのかたまりとして固定、維持し、動作を行うことによって腹直筋を中心に負荷をかけていく腹筋種目です。尾側から頭側に離床部分を多くすればするほど、腹直筋にかかる負荷量は増大していきます。ドラゴンフラッグは、見た目において、他の腹筋種目と比べて、アクロバティックで派手なため、パフォーマンスに用いたとしても十分に通用する腹筋種目ではないでしょうか。

ドラゴンフラッグは腹筋種目といっても

通常、腹筋種目を行うとき、たとえばクランチでは腹直筋の上部が、シットアップでは、腹直筋の上部(および、腹直筋の下部)が、Vシットアップでは上記した2種目より、より腹直筋の上部、下部の活動が増大するといったように、活動の主役はあくまでも腹筋です。実際に行ってみるとわかるのですが、ドラゴンフラッグは、腹筋の筋肉のほか、体を連動させて動かすため、腹筋以外の筋肉も十分に活動されます。

ドラゴンフラッグで活動する主な筋肉は以下の通り

腹直筋 外腹斜筋 広背筋  上腕三頭筋 

—————————
腹直筋(ふくちょくきん)
いわゆる「腹筋」のことで、腹部前面にある板状の筋肉。

外腹斜筋(がいふくしゃきん)
側腹部(そくふくぶ)でもっとも表層にある筋肉。体をねじる動きの主力となる筋肉です。

広背筋(こうはいきん)
背中の下の方、広い範囲から起こり、脇の方に線維が集まって、腕の骨に付着する扇状の筋肉で面積が大きく強力な筋肉です。

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
肘を伸ばすとき主力となる筋肉です。
—————————

ドラゴンフラッグは、頭部、上半身で体重を支持するため、支点となる部分のトルクが大きくなり、上腕三頭筋や広背筋などの上半身の筋肉の活動量が大きくなります。ドラゴンフラッグをすると、腕が疲れることや腕が痛いといったことが起こるのはこのためです。また、ドラゴンフラッグの姿勢を維持する、つまり、重心のコントロールをするため、体幹、股関節のコントロールが必要とされ、腹直筋、外腹斜筋、腿(もも)の筋肉の活動が増すものと思われます。姿勢の維持には腹横筋、内腹斜筋も関わっているので、それらの筋肉の活動量も増すものと思われます。そうです。腹筋運動というより体幹運動です。ドラゴンフラッグはブルース・リーがトレーニングに取り入れていたことでも有名ですが、その理由はこのようなところからもあるのかもしれませんね。

ドラゴンフラッグのコツをつかむために

今までみてきたように、ドラゴンフラッグは、 尾側(お尻側)から頭側にかけて離床部分を多くすればするほど、つまり、ベンチの上で行うなら、ベンチにつける体の部分を、床の上で行うなら床につける体の部分を、減らせば減らすほど、腹直筋にかかる負荷量は増大していきます。ドラゴンフラッグを行うにあたって、初めのうちはこの体を接地させている部分を多くして、始めるとよいでしょう。ベンチで行う場合は、着ける部分の調整がしやすいのでオススメです。

ドラゴンフラッグ セッティング

その際には少し体重をかけると浮いてしまうようなものではなく安定したベンチを選びましょう。また、ベンチを掴んでドラゴンフラッグをしている最中、ベンチの座る部分が剥がれてしまうような不安定さをそのベンチに感じたのであれば動作を中止し、他のベンチを選びましょう。そのまま続けると壊してしまう可能性や怪我のリスクにもなりかねません。

ベンチ選びができたらスタート。

ベンチに当てる部位を選択します(写真は首まわり、僧帽筋あたりのみを選択)。はじめのうちは、お尻までベンチに乗せてしまうでもかまいません。厳密にはレッグレイズという脚を上げる種目になってしまいますが、やがて腰までベンチに乗せる。脊椎中部までベンチに乗せる。肩甲骨までベンチに乗せる。といったように、少しずつベンチに乗せる部分を減らしていけば、やがては写真のよう首まわりのみをベンチに乗せるというようになっていくことでしょう。

ドラゴンフラッグ 腕セット

ポイントは焦らず確実に、段階をこなしていくといいです。

ドラゴンフラッグ スタート

腕の位置を、しっくりくる位置へ(体を支えられるくらいの力が入れやすいところをみつけましょう)。

ドラゴンフラッグ 体の固定 特に腰おなかまわりの固定がコツ

いざスタートです。このとき体の固定、特に腰おなかまわりの固定がコツです。手を当て、意識をそこに集中している写真だと思います。

ドラゴンフラッグ 腰足まで一直線で行いたい
ドラゴンフラッグ

終始腰から足まで一直線で行いたいものです。写真では少し膝下が曲がっていますが、体の直線をキープした状態でベンチと平行、それより下へ降ろしていき、腰や膝を曲げず、そのままの状態で戻っていきます。続けると既述したドラゴンフラッグで活動する筋肉たちがたくさん効いているのがわかってきます。

参考文献:
腹筋運動における上部腹直筋・中部腹直筋・下部腹直筋の筋収縮特性
一体幹屈曲角度の違いによる変化一
石田裕保,堀 信宏,大場かおり,長谷部武久,山田みゆき,河合克尚,藤橋雄一郎,曽田直樹,田島嘉人