腹筋をするだけで痩せられるか??
夏が近づくにつれて、気になってくるのがボディライン。
なかでもお腹周りは毎年悩まされるカラダの一部分ではないでしょうか。
多くの方が痩せる(体脂肪を減らす)!と決めたら、まずトレーニングに取り掛かるかと思います。その時にたいてい腹部のトレーニングが選ばれることでしょう。
腹筋好きの身としては、腹筋がその手段となっていることはうれしい限りですが、実際のところ腹筋のトレーニングをしているだけでお腹の脂肪は取れるのでしょうか、しかもそれが食事制限なしの場合はなおさら気になるところかもしれません。
そういった疑問を解決するためのヒントとして、腹筋エクササイズがお腹の脂肪にどう影響するかを調べた研究がありますので紹介しておきます。
研究は、18歳~40歳までの健康的だけれども、日常生活で座ることの多い24名の男女をランダムで腹筋エクササイズグループとエクササイズなしのコントロールグループにわけ、6週間後の体脂肪などの体組成と腹部の筋持久力を調べました。
腹筋エクササイズグループは7種目の腹筋を週に5回行いました。頻度は1種目あたり10回2セット(セット間のインターバルは10~15秒)、トレーニング時間は15分間でした。その結果は、腹部の筋持久力の向上を除いて体重や体脂肪率、腹部の皮下脂肪や腹囲に変化はなかったとのことです。
以上の報告から、食事制限なしでの腹筋エクササイズのみのアプローチは腹部の脂肪を落とすためには不十分であるといえます。
減量には週に150~250分の運動が必要とされています。今回の研究では15分の運動を週5回で合計75分ということから、その数値には程遠いものとされています。また、トレーニングの原則の一つである漸進性の法則に沿わず、強度を変えずに一定だったことなどもこのような結果になった要因の一つといえるかもしれません。
※7種目の腹筋は以下の通りです。
ベントニーシットアップ
ラテラルトランクフレクション
レッグリフト
オブリーククランチ
スタビリティボールクランチ
スタビリティボールツイスト
アブドミナルクランチ
減量を考えたとき、その手段は腹筋を鍛えるだけでは不十分といえるでしょう。腹筋を上手に使った全身運動との組み合わせが大事になってきます。これについては他のコラムでお話します。