腹筋と他の筋肉とのつながり。インナーマッスルからアウターマッスルまで。
腹筋とインナーユニット
腹筋のトレーニングや勉強をしていくと、腹筋は土台でありながら、他の筋肉との深い関わりやつながりを感じます。インナーユニットもその一つです。インナーユニットというのは腹筋の一部である腹横筋をはじめ、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群が該当します。これらがしっかりと機能することによってインナーのコアとして働き、体の安定化や脊柱の分節運動をサポートしてくれます。
インナーユニットの機能が崩れると…
浅い呼吸ばかりの繰り返しで横隔膜をしっかりと機能させないというのは、肋骨の位置が上がってしまう要因の1つとなります。(※ちなみに、横隔膜の大きさは腰痛患者と健常者では異なり、3倍も違うこともあるといわれています。腹式呼吸がうまくできないといった横隔膜がしっかり機能しないと腰痛に関わるといわれています。)
肋骨の位置が上がると、横隔膜がついている剣状突起も上がることになり、それは本来、横隔膜と骨盤底筋群のお互いで向かい合って圧が抜けないようにしているという働きを崩すことになります。インナーユニットの蓋の役割をしている横隔膜が抜けるということは、腹圧が抜けてしまいコアが働かないということです。これは骨盤の前傾しすぎや後傾しすぎといったことでも同様のことがいえます。腰痛のリスクを減らすためにもインナーユニットを機能させておくのが大事です。
インナーマッスル、アウターマッスル間の胸腰筋膜のつながり
インナーユニットのうち、横隔膜、腹横筋、多裂筋は胸腰筋膜とつながっています。※その他、胸腰筋膜に関わる筋肉として主に大腰筋、腰方形筋、内腹斜筋、腰腸肋筋、胸最長筋、広背筋、大臀筋など深層のいわゆるインナーマッスルから表層のアウターマッスルまで広い範囲で含まれます(胸背筋膜や腰背筋膜を総称して胸腰筋膜とされるので広背筋も含まれます)。
このような広範囲にわたるつながりのため、インナーマッスルが機能しないとその影響はアウターマッスルに及び、それが腰痛などのリスクを発生させているといっても過言ではありません。
インナーマッスルが使えないと
インナーマッスルの多裂筋がうまく使われていないと、棘突起がうまく触れなかったりします。これはアウターの筋肉が発達しすぎているのも要因だったりします。本来、インナーマッスルである半棘筋や多裂筋、回旋筋がうまく働いてほしいものですが、分節運動が苦手なアウターマッスルの胸最長筋や腰腸肋筋が働いてしまっているのです。
多裂筋が機能しないと骨盤は後傾位になります。胸最長筋や腰腸肋筋は普段、腹筋と同じように姿勢を維持する程度の出力で働き、ガチガチに働いているものではありません。しかし、多裂筋が働かず緩むことで起こる骨盤の後傾がこれ以上起こらないように、胸最長筋や腰長肋筋が働き、それにより肥大してしまうといったことが起こるのです。
こういうことからインナーマッスルもしっかりと使えるようにするのが大事です。仙骨、骨盤周り、脊柱周りが機能するようにペルビックティルトなどを繰り返し、骨盤が動く際に、腰椎もスムーズに動くようにしていくといったエクササイズが大事です。骨盤の動きと腹筋は関わりがあり、腹筋をうまく利用することでスムーズなエクササイズが可能になります。
以下エクササイズ動画を貼っておきます。